2003年12月20日
米国の視聴率騒動
12/16の毎日新聞より。アメリカで、ネットワークTV局とニールセンが視聴率を巡って喧嘩をしているらしい。ニールセンが調査方法を変更し「より正しい結果を得られるようにした」ことによって、プライムタイムの視聴率が大幅ダウンしたことに対してTV局が文句をつけている。特に若い男性のプライムタイムの視聴率が昨年比12%も低下したという結果になった。この数字は調査の連続性ということでは問題があるが、問題はどうもこちらが事実に近いらしいことにあるようだ。各種データを見ても視聴率は低下しつづけており、特に若い男性はTVの前に座っていても番組を見ずにゲームやDVDなどを見る傾向が強くなっていることなどが報じられている。
2003年は日米ともに視聴率崩壊元年として後生に記憶されることになるのだろうか?崩壊はとっくにしていたのだが、それが誰もが分かる形で提示されたという点でインパクトがある。
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2003年11月24日
メディアのconvergence から reconstructionへ
ここ数年、放送と通信の融合と言われてきた(私自身も言っていた)が、最近はちと遅れているアメリカのメディアが未だに convergence という言葉を使う以外にはほとんど見かけなくなった。最近、これはflow型映像メディアとstock型映像メディアへの再構築(reconstruction)なのではないかと考えるようになってきた。ビジネス的にはいつまでも冬の時代が続いているインターネット放送が次のステップに行くきっかけをつかめないだろうかと思ってまとめてみた。
flow, stock型映像メディアについて私なりに定義すると以下のようになる。flow型というのは、同時体験や時間・場の共有のことである。TV電話・会議、ビデオチャットがこれだし、ワールドカップのスポーツ観戦、ライブエンタテインメント中継、刻々と伝えられる数年に一度の大ニュースというのもこれに入る。ずっと軽くなってバラエティ番組で時間をつぶしているのもそうかも知れない(典型的には「笑っていいとも」)。これに対して、stock型というのは要はアーカイブされた映像をみるもので、映画、ドラマ、ドキュメンタリーなどの情報・教育番組、一般的なニュースなどである。
stock型の進むべき道は分かりやすい。要は書籍・雑誌の映像版である。現時点ならばレンタルビデオやDVD-HDRであるし、コスト面でなかなかテイクオフしないVideo on Demandもこの延長上にある。視聴する環境も、家庭でふと思ったときに気楽にコンテンツが入手できることや、モバイル端末によって日常の隙間時間でも見られるような形になるだろう。stock型映像メディアは公称何百万部という新聞を除けば、同時配布のボリュームが少なめな多品種少量メディアなのでインターネットとの親和性は高いと考えられる。
flow型に関しては、文字の世界であってもまだまだ未成熟なのでお手本がないが、メーリングリストや掲示板、ニュースグループ、blogなどにその萌芽が見られる。スポーツ中継や大ニュースの報道の様子を見れば分かるが、この分野はインターネットを使うよりも既存の放送網を使ったほうが具合がよさそうなものも少なくない。しかし、場・時間の共有にインタラクティブ性が絡んでくる場合はインターネットをうまく利用することによってよりメディアの性質を強化することができるだろう。ただし、双方向性が強くなれば技術的にも、舵取り的にも難しい点が多くなる。文字コミュニティで見られるように、少しバランスが崩れるとすぐに荒れたり縮退したりしてしまう。文字よりも一覧性に劣る映像の場合は「ウザい」ものであるから、より難しい。しかし、昔から研究はされている大画面を利用した高臨場感通信や携帯端末によるリアルタイム性をうまく取り込んでいけば、面白い未来がありそうだ。
もちろん、flow型にしろstock型にしろ現時点では良いビジネスモデルがないのが最大の課題である。しかし、それぞれが何を狙うかが明確になれば、稼ぎ方は時間とともに分かるはずだ。すべてが一つにconvergeするのではなく、放送と通信というわけ方ではなくflowとstockに再編成されると考えるとだいぶ頭がすっきりした気がするがどうだろうか?
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2003年11月22日
実は苦しいブレークしたばかりの音楽配信ビジネス
iTunesが火をつけた音楽配信に関連して、11/19のWall Street Journal Online(会員のみ)にいい記事がでていた。
一曲$0.99の売値の内、原価が65-79cent。決済手数料、販管費、ネットワーク費用などを加えるとぎりぎりか赤字。それでも、これから分かっているだけで Roxio(napster), RealNetworks, Wal-Mart, Microsoft, Sony が参入(napster, Realは既に開始)しようとしている。
AppleはiPodの売り上げで回収しようとするが、player自身も競争が激しくなる。DELLも低価格機を出すし、Samsungはnapster用に出す予定だ。wal-martは魅力的なオンラインストアを作るためにサービスを提供し、他の商品への誘導に使うかもしれない、Real, Napsterは月額制と組み合わせることによって50%のマージンを得られると主張している。みなお互いのビジネスモデルを懐疑的に見ていて、自分のビジネスモデルのみが生き残ると言っている。
これからつぶし合いになるのだろう。napsterに関しては、初めの1週間で30万ダウンロードと失望感があったといっている。うーん、ダウンロード数だけ見ると数年前には考えられなかった数字だが、内情を知ってしまうと失望感というのもなるほどと言わざるを得ないんだろう。WSJでも述べているように、1年後には業界地図が大きく変わっているんだろう。
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2003年10月31日
BBシネマで採算を合わせる方法
もうからないはずの「BBシネマ」で採算をあわす法というエッジの堀江社長のインタビュー記事がある。「もうからないはず」のBB配信であり、「採算を合わす」という何とも後ろ向きな話ではあるが、これがブロードバンド1000万人時代の2003年末の現実である。制作費を抑え、プロダクトプレイスメント(要は商品とのタイアップ番組)をし、マルチユースをするという手法を紹介している。まあ、奇をてらわないまっとうな方法と言えるだろう。
印象的なのは、『堀江氏は、現状の映像業界では「俳優があまっている」と話す。テレビに出て活躍するような人間は、ほんの一握りで「それこそ『時給何百円』のレベルで活動している人も多い」。』とのくだりである。映画・TVなどのコンテンツ作成費のかなりの割合がスター俳優・女優に流れている事実の裏には、膨大な人々が苦労しているわけだ。そして『こうした若手俳優、および若手監督にチャンスを与えることで、制作費を抑えながら、将来的に大化けする可能性を探るのだという。』。トータルコストが安いインターネット放送を劇場映画などに向けた作品・俳優などのプロモーションに位置づけるのは一つの解だろう。
プロモーションといえばホリプロのNet-tvは面白い試みだと思っていたが、黒字化したのだろうか。吉本興業の知人からとある理由で継続的に盛り上げていくのは難しいという話をきいたことがあるけれど。
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2003年10月30日
視聴率調査
ちと遅いが、日テレのプロデューサが視聴率調査対象家庭を割り出し、謝礼を渡すことで視聴率操作をしたとの報道でにぎわっている。個人的には、この事件自体よりもその報道での扱いの大きさに違和感を感じている。確かに業界人にとっては重大な問題なのだろうけれど、視聴率自体は一般市民にとっては関係ない。それに映画や小説、漫画のネタとしてよくあるし、なるべくしてなった感がある。切込隊長BLOGのコメント#15にあるように「視聴者にしてみれば視聴率の精度なんてどうでもいいしねぇ。日本テレビの幹部が記者会見で頭下げていたけど、あれは汐留に向かって下げていたんだろうな。」が実に的をえている。マスコミも汐留に向かって煽っていたのだろうか(笑)?
インターネット視聴質調査なんていう地道な話もあるが、まだまだ視聴率が唯一の指標のようだ。もっとも、USの某大手パソコンメーカーなどはTVコマーシャルに対してもコンバージョンレートなどの効果測定を精密にやっているという話を聞いたりすると、徐々にではあるが変わりつつあるといえる。
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2003年10月12日
インターネット放送に普及に必要な事柄
インターネット放送が普及するために必要な事柄を1年半ぶりに改版しました。以前に書いたときはP2Pについては冷ややかに見ていたけど、現行のサーバベースのストリーミングの限界を(CDNを使ったとしても)最近相当感じていること、あとは自分の考えが少しは変わったというところを中心に書き直しました。
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2003年10月02日
ケータイTV
Vodafoneが地上波アナログTV搭載携帯を出す( ZDNetの記事)。私は、携帯にTVがのるのは以下の理由でなかなか進まないと思っていた。 1. 単にチューナをのせただけでは携帯網の方にお金が落ちないので、キャリヤはARPUが落ちるから嫌がるだろう。暇つぶしのWWWやメールの回数が減るだろうし。2. ネットワーク経由の配信は、現在の携帯の網技術ではスケールしないしパケット量もかなり取らないと割に合わない。
しかし、Vodafoneは地デジが始まる以前にTV携帯を投入してきた。これには、写メール相当のサービスをどこのキャリアもやるようになったために加入者数が伸び悩み、新たな目玉を探したというのが大きいと思う。将来的には携帯網経由で映像も送るという。フラットレート化するつもりなのだろうか?
アナログTVなので電車の中で見るのはかなり厳しいだろう。映像がうつる試作携帯をさんざ見てきた私としては、TVを楽しむには画面が小さすぎるとも思う。しかし野球の試合の経過だけでも知りたいというニーズはあるだろう。ヒットするかは分からないが、動向に注目しておかねばならないサービスであろう。
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2003年09月29日
TVを一番見ている人は誰?
毎日新聞9/29朝刊より。高齢化社会が進み人口の20%を65歳以上が占めるようになっている。彼らはTV世代であり、NHK放送文化研究所調べでは平均して一日5時間半ちかくTVを見ている。ところが、CMという観点からは魅力的な視聴者とはいえず、番組の対象からは疎外される傾向にある。つまり、一番TVを見ている人たちに向けた番組が一番少ないという現象が起こっている。
TV屋と話すと、番組というものはそのCM枠をいかに高く売れるようにするかのツールに過ぎないという感覚がしみこんでいるように思う。ところが、最近のドラマは人気タレント・脚本家を使っても視聴率が取れなくなっているとの話もあるように、一番CMを見て欲しい層はネットや携帯に時間を取られているし、あと1,2年もすればDVD-HDレコーダによって番組はみてもCMは見なくなるだろう。そもそも、広告屋の最大のターゲットであるF1層に属する20代女性は50代男性の半分程度である3時間程度しか見ていない。
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2003年09月23日
カスタムマガジン
テレビ東京のWBSより。
ブランディングのツールとして、カスタムマガジンの市場が伸びている。カスタムマガジンとは、企業が出版社に委託して発行する定期刊行物で、Coachといったブランドが自社製品を紹介するために出版している雑誌である。ダイレクトメールと専門雑誌広告の間に位置づけられる。出版で儲けるというよりもマーケティング費用化するほうが主で、コストはかかるがDMに比べて遙かに開封率が高く、ブランドロイヤリティにもつながる。これがアメリカでは既に1000億円市場になっているという。
モバイル放送や録画持ちだし放送に絡めて、自分の好きなブランド・モノに関するカスタムマガジン的映像を持ち出すというスタイルは大ありなのではないだろうか。
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2003年09月21日
イケイケDVD-HDR
DVD-HDレコーダは2003年度業界全体で国内200万台の出荷見込みだそうで、VHSが年500-600万台なのでついに半分に手が届きそう。まだそれほど価格破壊状態にはなっていないのに、昨年度が80万台だからものすごい増加ペース。この分野は日本の独壇場なので、世界市場を考えるとさらなる量産効果が期待できるのではないだろうか。価格破壊モデルがでたらもっと加速するはず。
でも、今後難しいのは地上波デジタル化に伴うコピーコントロール。ここ数日仕事でHDTVと寝食を共にして、SDには戻れない自分がいることに気づいた。ニュースの臨場感が全然違う。2回くらいのオリンピックとワールドカップを経て、地デジへの移行ドライバになることを確信した。そうすると、ますます放送事業者は著作権保護に神経をとがらすようになり、さらに希少な一等地を転売する地上げと本質的に同じである広告ビジネスモデルを守る意味からも、手軽なタイムシフトには抵抗をしていくだろう。CMカットなんてもってのほか。ワールドカップは有料放送になるのかも知れないけど、ほとんどの番組は金を払ってみる価値はないことは放送屋が一番よく知っている。
これから1,2年コピーコントロールと放送ビジネスモデルの点で、メーカーと放送事業者の喧嘩がますます目立つようになるだろう。でも、プライムタイムのような概念は消費先端層ではとっくに崩壊し、家でみる時間がない分モバイルにまで頼らざるを得ない現状を考えると、10年~20年くらいのスパンで見ると放送屋の勝ち目はないと考えている。
投稿者 hyotan : 22:19 | コメント (0) | トラックバック
2003年09月16日
blogについて
blogというものが騒がれている割にはどんなポテンシャルがあるのかイマイチ掴めずにいる。確かに、有能な人がまとめた公開日記は情報フィルタとして有用だし、slashdotみたいにある程度の専門家や話題の現場にいる人が集まって情報を出し合うのは面白いと思う。でも有象無象のblogを集めてきても、読むのがかったるいだけである。
最近はmoblogという、要は携帯カメラなどで撮った写真にその場でコメントをつけたblogもあらわれた。いくつか見てみたが、たいていが食べた食べ物だったり、友達や赤ちゃん、ペットの写真だったりして、何枚かみたら飽きてしまう。そもそも、普通の人が日常で出会ったものなど他人にとってほとんどがつまらないことであり、仲間うちメディアの枠は簡単に超えられない。
あたりまえだが、非日常に足を踏み入れるか、撮影者の感性がものすごく優れている必要がある。例えば、写真blogサイトであるfotopagesの人気コンテンツはイラクの日常である。昨今のblogブームは、blogサイトは少数のみが残り、大多数が2chに代表される掲示板(記名・匿名)に集約されていくと予想している。
2003年09月15日
NHK地上波デジタル放送、B-CASカード使用へ
asahi.comの記事より。「NHKデジタル放送、カードキーで受信限定へ 」。放送というものは誰でもみれるしタダであることがあたりまえであったが、デジタル化に伴いこの前提は崩れていくのかも知れない。著作権保護技術によって、視聴制限や録画制限が容易になろうとしている。そもそも著作権は契約の概念に深く根ざしているため、B-CASカード配布時に視聴者にさまざまな制約をかけることも可能である。しかし、半官の国営放送が制作した番組は、できるだけ国民が幅広く利用できるように最大限の配慮をすべきではないのだろうか?
NHKの番組は好きだが、現在の受信料制度は中途半端な徴収方法で真面目に払っているとどうも不公平感がある。この点については、公共放送であることを鑑み、B-CASカードを導入しても不払者に対して放送を止めることはしない予定であるという。どうも制度として不可解である。本当の公共放送であればすべて税金でまかない、その代わり視聴料無料、制作物も全てpublic domainとする、受信料を徴収するのであれば未納者への配信を止める(だって容易にできるようになるわけだから)という風にすべきではなのだろうか?
2003年09月14日
地震予想の講演
ここ数日中の南関東の大地震を予測している研究者がいて、注目を集めている(学会講演・インタビュー)。このような話は普通のマスコミで報道するにはインパクトが大きすぎかつ不確実性が大きいため扱いが難しいが、こういった形で生の声が聞けるというのは、発表者本人にとっても無用な誤解を生まないために重要である。
2003年09月10日
音楽ダウンロードビジネス成立
音楽ダウンロードはなかなかまともなビジネスにならないと言われてきたが、ついに本格的に軌道に乗りだした。まず、iPodのサービスとしても注目をされているAppleのiTunesが2003年4月28日のサービス開始から約4カ月で1,000万ダウンロードを達成した。(記事の例はこちら)。一日8万ダウンロード程度という計算をするとあまり多いように見えないかも知れないが、しかしこれは Macintosh ユーザのみが対象である。一曲99セントのPay Per Listen モデルで成功しているという点も注目しなければならない。
DRMを専門とする友人に説明を受けた範囲では、iTunesのDRMは非常に軽いものであり、技術的にはより進んだものがいくらでもあると考えられる。しかし、セキュリティと、利便性およびビジネスの広がりのバランスで言えば、現時点ではいい線をいっているのだろう。
もう一つ、RealNetworksが買収したlisten.comが行っている音楽ダウンロードサービスRHAPSODYは一日50万ダウンロードを超えた。(RealNetworksによるプレスリリース)。こちらは月$9.95のサブスクリプションベースである。
これらをまとめて眺めると、やはりサービスの値頃感というのが非常に重要なファクタになっているのではないかと感じる。今までは一曲300-500円程度であったが、これが100円前後に落ちてブレークしたといえるのではないだろうか。もちろん、iPodのような使い勝手の良い端末、CD-Rに焼くという使い方が普及したという要素も多いだろう。
この分でいくと、映像の同種サービスがでてくるのもそれほど時間がかからないに違いない。値頃価格の予想もしているが、これはメシのタネとして取っておくことにしよう(笑)
2003年08月09日
目の付けどころが...
うーん、言われてみれば当たり前の発想だが、やられたと思ったのがシャープのこの製品。そうだよな、どうせ今日びのTVやDVDは軽くてもOS入っているわけだし、それで立ち上げるようにすれば専用機並の使い勝手も確保できる。単なるデュアルブートの応用だが、特許性はあるのだろうか?ないとすれば、各社冬商戦くらいにはみんな真似をしてくる気がする。

2003年07月26日
新しいSTBの息吹
ソフトウェア的にいじり倒せそうなSTB Tellyが発表された(Wiredによる紹介記事)。まあスペックをざっと見た限りでは、1GHz程度のPentium互換チップ(VIA C3)がのっているLinux PCがAV機器っぽい箱に入っているだけともいえる。CODECなど全部ソフトウェア処理っぽいので、消費電力・熱は出そうだし、ファンの音がうるさかったりするのかも知れない。
でも、この機器に学ぶところはあると思う。進化する情報家電などといって、ソフトウェアのダウンロードをさせたりすることはどこの家電メーカーでも表明している。特にCODECやDRM、ネットワーク周りの機能などが日進月歩で進むストリーミングに対応させるためには何らかのバージョンアップは必須だろう。ところが、実際ビジネスにのせようとすると、ユーザにバージョンアップでお金を払ってもらうことは難しかったり、開発費が見合わなかったりして、なかなか実現できない。その解決策の一つとして、この機器のようにインフラだけ作ってあげて、後はお好きにどうぞと投げてしまうというのは一つの手であろう。
ハードディスクレコーダの草分けといえる TiVo も、いくつかの改造本が出ている(Hacking the TiVo, Hacking TiVo, TiVo Hacksなど)。改造と著作権侵害は背中合わせなのでなかなかこういった形で大家電メーカーが認めていくのは難しいかも知れないが、そういったリスクを恐れないベンチャー企業からこういった機器が今後増えていくことになるのだろう。
2003年07月23日
オピニオンリーダの情報源
Washington Postの記事などより(BizReportによる紹介)。いわゆるオピニオンリーダーと言われる人の主要な情報ソースはインターネットと新聞であるとの調査結果が出た。最近、1. マス広告に対しても効果測定が注目されるようになり、単なる視聴率だけでなく、リーチやリテンション率などがマス広告に対しても言われるようになってきていること(お陰で一時よりもやりやすくなったと某国内有名ポータルサイトを運営している会社の取締役と雑談しているときにいわれた)、2. 映像広告によって、一時極端にクリックレートが低下していたネット広告に回復の可能性があること、という2つの話を聞いていたので、こういった調査結果はインターネットを通じた効率の良い広告(Infomercialを含む)、特に映像広告へのニーズが今後出てくるのではないかと思っている。
私自身は、仕事で広告をどのようにうとうか考えている立場なので、オピニオンリーダ(マーケティング理論のinnovator, early adopter)へ上手く浸透し、そこから口コミで広まってくれればこれほど効率の良い広告方法はないと感じている。
2003年07月08日
映像ジャーナリズムに関する書籍
映像ジャーナリズムに関して,いくつかの本を読んだ.津野敬子 著:ビデオで世界を変えよう(草思社),徳山喜雄 著:報道危機(集英社新書),高木徹 著:戦争広告代理店(講談社).
ジャーナリズムはそもそも権力に対する市民の味方であったが,今日の捉えられ方は異なる.センセーショナルな事件を求めて被害者や関係者の気持ちを踏みにじるように集中豪雨的取材をし,時にはメディアが権力者となって人権を踏みにじることが少なくない.ワイドショー的なTVジャーナリズムを低俗な興味から観てしまう一方,自分は関係ない,巻き込まれたくないと思うのが普通の感覚ではないだろうか.
一方,これだけ情報過多になると「報道されなければニュースではない」という側面が強く出てくる.ということは,例えば国際世論による圧力を期待するとか,広告宣伝費をかけずに商品を取り上げてもらうといった目的でジャーナリズムという力を利用するためには,報道されるようにし向けなければならない.そこでPublic Relationという考え方が重要になってくる.メディアに取り上げてもらうために様々なテクニックを使うわけである.
映像メディアというのは強烈に人の心に訴えかける力を持っている.その配信方法がTVのように限られた機関・人々のみ可能な場合は,公共の有限資源である電波を使う観点からも何らかの規制・監視が必要である.ところが,本来そこにあるべき市民による監視が機能していない.この監視がうまくいくかどうかは,民主主義がうまくいくかどうかと同じくらい難しいことだ.
そのため,もう一つの手段として,多様な配信手段,例えばインターネットを利用した配信を確保する必要がある.インターネットがない時代から,ビデオ一つを持って,大手メディア記者が取り上げないような事実を丹念に拾ってきた人たちがいる.残念ながら彼らの配信手段は大手メディアに取り上げてもらうことしかなかったのだが,これらの人々が発信し,生活していけるようなビジネスモデルが回るような仕組みをネット上に作ればメディアの自由競争が起こり,面白い時代になるはずだ.