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2004年03月17日

コンテンツ産業育成!?

国策としてのコンテンツ産業育成が最近の流行らしい。e-Japan II は線を引くハコモノ事業ではなくコンテンツ育成だといっているし、知的財産戦略本部の議論も進んでいる。東大もコンテンツ創造科学産学連携教育プログラムを打ち上げた。昨日、それとはぜんぜん関係のない堅いコンテンツ配信に関する相談を東大でしていたが、まあいろいろなコンテンツ産業育成策を考えるのは結構なことだ。問題は、金が変な形で流れ込んで、補助金ばら撒きやそれに伴う許認可のドロドロが生じ、コンテンツ産業自身が農業のように補助金漬けで長期的に競争力を失うということにならないかという点である。
世界に通じる一流コンテンツ以外は言語変換という障壁を越えることが難しく、狭い日本語マーケットのパイを食い合わなければならないし(まあそれが非関税障壁になっている面もあるが)、著作権契約実務などの制度・慣習のインフラも未整備である。また国内のコンテンツ配信の主要なチャンネルを地上波TV局が握っていて番組供給会社の力が弱いことがあげられる。
たとえばここしばらく、米国ではCATVや衛星放送事業者と番組供給者が放映料をめぐって鋭い対立を見せているが、番組供給側がたいてい勝っている。衛星第2位のエコスターはCBS, MTV, Nickelodeonなどを持っているバイアコムに大幅な値上げを飲まされたし、人気のあるスポーツ専門局ESPNやFOXスポーツは契約更改時に20-35%の引き上げを要求しているようである(日経産業新聞2004.3.16)。米国では普通の家庭で数十チャンネル視聴できることは当たり前であるので、大多数が地上波の6-12チャンネル程度しか受信していない日本とはコンテンツの競争環境がだいぶ異なる。

コンテンツ業界が強大なことがあるべき姿とはいわないが、アニメーション製作現場の厳しい話やプロデューサ・クリエータの愚痴を聞くにつれ、日本はコンテンツ供給者がより強い立場をもてるようにすべきと考えている。つまり、TVの現状を鑑みるに配信チャンネルの競争が発生しやすいような環境を整備することがまずやるべきコンテンツ産業育成策ではないだろうか?以前も書いたと思うが、地上波TV局の広告モデルは、本質的に一等地地上げの80年代地本主義と同等である。これが温存される限り、配信チャンネルの競争は発生しにくい。そのため、CSなりインターネット配信といった多チャンネル化を推進するための税制面、著作権等報制度面での優遇措置を検討すべきだろう。どうしても放送の公共性というものを政府がコントロールしたいのであれば、例えばインターネット放送に関してきちんと定義を行い、単なるインターネット経由のコンテンツ配信とは区別した制度を作って始めてみるというのもいいかもしれない。個人的には、放送の公共性という概念自体が時代遅れだとは思うけれど、既存の枠組みから徐々に移行していくというのもやむを得まい。

もう一つは日本語でコンテンツを消費できる人を増やしたり、多言語への翻訳を支援したりする施策もいいだろう。この議論にもあるが、参入障壁を減らし、裾野を広げるために環境を整えることが唯一の健全な育成策であると思う。

投稿者 hyotan : 2004年03月17日 19:13

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