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2004年10月08日
アルカイダと映像
数日前に見たNHK BSの番組「世界潮流」に関して。イスラム社会とアメリカと対立が激化しているが、テロ対軍事行動の流血の対決とともに、情報戦も活発になっている。アメリカは100億円をかけ、3大ネットからプロデューサを引き抜いたり中東の有名女性アナウンサーを呼んだりして人材を集め、イスラム社会向けの衛星放送を開始した。対するイスラム側はそんなお金はないので、インターネットによってアルカイダ関係者のプロパガンダ映像を配信したり、ビデオCDを販売したりしている。作成された映像はPCで加工されているが、かなり欧米のTV制作手法の影響を受けている。まあ、実際ロンドンなどで作られたりしているらしい。
コメンテーターの話として、アルカイダのメッセージは過激だが分かりやすいために人々に受け入れられやすい、アメリカのプロパガンダ放送も分かりやすいメッセージによる影響を目指している、人々は映像メディアのメッセージに影響されやすいといった内容だった。
識字率の低い社会では、映像が唯一の情報源となることも少なくないようだ。教育水準が低ければ、単純な映像メッセージに影響されてしまう人が多いことも考えられる。しかし、もっと根底に目を向けなければならない。
これが視聴率20%のTV番組であればメディアの影響力もある程度納得できるが、この情報が溢れている時代において、普通の人がたいして見ることもなさそうな内容の番組の力だけで人々をテロに駆り立てたり、親米派にしたりすることができるとは思えない。イランの社会研究の専門家の友人によれば、イスラム社会に行くたびに、欧米との圧倒的な経済格差、またそれがいつまで経っても改善しない、若者の失業・低賃金などが社会に絶望感を漂わせているという。別の新聞記事で、貧困にあえぐアフリカにおいても娯楽として衛星放送がそれなりに入っているらしいが、その結果、今まで知らなかった豊かな世界があることを知り、いつまで経っても改善しない現在の状況に絶望感を感じる人が少なくないということであった。
特にインターネットは共感を増幅するメディアである。量による洗脳を目指す物とは違う。テロに共感するのであれば、その根底の改善が必要であり、メディアのやりとりだけを制約する、例えばインターネットによるアルカイダの映像を全て検閲するといった方法を考えるのは全く解決にならないだろう。
投稿者 hyotan : 2004年10月08日 23:12