2005年06月26日

インターネットと質感

6月に会社が代わったこともあり、しばらく落ち着かなかった。今まではテレビからインターネットへアプローチするような商品開発をしていましたが、今度はゲームからインターネットへアプローチするようなサービス開発していくことになりました。blogは今までのようなマッタリペースで続けますので、引き続きよろしくお願いします。

ゲームといえば、先日のアメリカの展示会で次世代ゲームのラインアップがそろってきたが、HDが一つのキーワードだった。実際、コンセプトデモを見る機会があったが、質感が今までのものとは全く異なる。これをみながら、将来のインターネットの姿についていろいろ考えているのだが、改めて感じているのは、今のインターネットはblogにしろ、ストリーミング放送にしろ、粗い質感のものが多いということだ。

粗い質感というのは、作り込みが弱いとか、情報密度が薄いとか、プロットが甘いとか、フォントやレイアウトや画質が汚いとか、いろいろな原因にブレークダウンできる。TVはコンテンツとしてはつまらないものが実に多いと思うのだが、質感という意味ではやはりインターネットよりも上だと感じる。

質感をあげるには、一つはプロのこだわりが必要であって、やはりこれはその世界でメシが食えることが必要になる。他にも帯域幅が増すことも重要で、これはインフラの問題だ。とすると、インターネットで質感が上がるのはまだだいぶ時間がかかるに違いない。

もちろん、インターネットは粗い質感で楽しい世界が形成されているという面は否めない。チャットやSNSが流行るのは密度がある程度薄いからだと思っていて、これがいきなり濃かったら逆に成立しないケースもあるのではないだろうか。ドアを開けて入ってみたら、いきなり見ず知らずの人たちによるテンションの高い飲み会だったりすると、たぶんすぐに引いちゃう人がほとんどだろう。

しかし、次世代のインターネットサービスは、この「飲み会」のような濃密な空間を以下に表現できるかが勝負なのではないかと最近思うようになっている。ゲームというかVR (Virtual Reality) は一つの方策なのではないかと思うのだが、これ以上は今後のメシのタネになるので、ここで語るよりは実際のサービスを出すことで表現したいと思う。

投稿者 hyotan : 23:23 | コメント (0) | トラックバック

2005年05月17日

ゲームとHD化の流れ

ライブドア・フジテレビ事件のあと、ネタが見つからずさぼっていました。

次世代ゲーム機がマイクロソフト、ソニーから発表されたが、いずれもHD(ハイビジョン)対応が売りになっている。ゲームがどんどんバーチャルリアリティー化しているなかで、これは自然な流れだ。(地上波)TVという映像メディアはどんどん老人のものになりつつあると感じていて、HD化の牽引役である地上波デジタルもなかなか若者には届かないのではと思っているのだが、ゲームによってそちらの層を取り込んでいくことができるのだろう。もっとも、ゲーム自身が先鋭化しすぎていて、カジュアルユーザーを取り込めなくなっているので、そちらのほうも改善されなければならない。

HDに関して言えば、NAB2005の記事の中で、1080pを1.8Mbpsに圧縮できるという記事があった(日経エレクトロニクス2005.5.9)。もっとも、10分の映像を圧縮するのに1600時間以上かかるという非実用的な話だが、可能性を示したという意味では非常に面白い。

HDにすることで、またAV機器が売れると言うことでメーカーは頑張るだろう。実際、HDに見慣れると、SDにはなかなか戻れなくなるのは自ら体験済み。後は、今日時点でケリがついていない、次世代HDディスクフォーマットがうまく決まって欲しい。まあ、分裂したままでも、HDDが主流になったりして、いずれ世の中HD化されると思うが、無駄な投資を世の中から少しでも減らせるに越したことはない。

投稿者 hyotan : 21:49 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月17日

プチアイドル

インターネット放送が普及したらどんどんこうなるんだろうなという話を一つ。
週刊ダイヤモンド2005.4.16によれば、医者に薬を売り込むのが仕事のMRに、アイドルが出現しているらしい。MRっていえば接待かけて...というイメージがあったけど、WWW上で日記風に日常の話をのっけて更新して、でも医者から専門的な質問が飛んでくるとパーソナリティーを出しながら的確に答える、といった人が非常に良い営業成績を上げているのだそうだ。そういうMRが薬の説明会を開くと飛行機で飛んできてサインを欲しがる医者もいるとのこと。

ちょっと違うけど、NHKの語学講座もここ数年女性・男性のタレント使ったりして視聴率を上げようとしている。まあ、単なるアイドルだとおつむ的にちょっと語学には向いていないというのも散見されたが、昨年度までのイタリア語講座の加藤ローサは良かった(笑)

細分化された放送が増えるに従って、国民的アイドルじゃなくって、各分野ごとのプチアイドルというののニーズが増えてくるだろう。単に見かけが魅力的というだけではなく、専門知識に裏付けされた。すでに書店では、株式や営業の本はその手の人が表紙写真になっている本が平積みされているし、パチスロ、競馬予想はいうまでもなく、将棋・囲碁でも女流棋士が普及の原動力になっている。各分野とも、実力のある美男美女の需要が今まで以上に増えるに違いない。

投稿者 hyotan : 21:29 | コメント (0) | トラックバック

2005年04月05日

PSPcasting

Podcastingすらまだあまり知られていないが、動画をPSPへVodcastingできるPSP Video 9というのも出てきた。これは、bittorrent とPSP用動画へのトランスコーダーを組み合わせて使える物で、bittorrentでダウンロードして、PSP用にtranscodeできるというもの。ただし、今日時点ではまだそこまで使えていない。

とりあえず、手持ちの動画をtranscodeしてみたが、映像に多少残像感でるのがイマイチ。これはtranscoderのせいだろうか?ゲームをやっていたときにこんな残像は全くお目にかかったことがないのだが。正規品のImage Converter 2を使ってみたことがないので、そちらならマシなのかも知れない。transcodeの時間は結構かかる。760x480, 30fpsの5分程度のDVビデオ(DVからiLinkで直接キャプチャ)を2passで320x240, 30fps のmp4に変換するのに15分は軽く必要(ちゃんと計っていない)。PSPへの転送はMemoryStick経由か、USBを本体にさして直接流し込むこともできる。

UMDの映画もいいが、こちらで怪しげな映像を楽しむ方がインターネットとの親和性は良さそうだ。PSP = ポルノステーションという話もあるようだ。新しいメディアはポルノからという定跡に従えば、今後様々な使い方が開発され、様々なコンテンツのプラットフォームになっていく可能性を感じている。

投稿者 hyotan : 23:08 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月15日

携帯映像プレーヤー事情

このblogでも何年も前から面白そうな製品が出るたびに「やっと携帯映像プレーヤーの時代が来た」といってみているが、いつもその後が続かない。それでもしつこくこの分野は追い続けたいと思う。とりあえず、今年2005年のCeBITで展示された各種製品の紹介記事

4inchくらいあれば、映画を楽しむにはつらいけど、ニュースや語学番組といった実用番組を電車の中で主に音を聞きながらたまに映像をちら見視聴するには結構使い勝手がいい。あとは、母艦となるレコーダーとの連携性が重要となる。レコーダーで予約録画して、クレードルにプレーヤーを置くと、充電と映像転送が自動的に行われるといった使い勝手が不可欠だ。

投稿者 hyotan : 20:02 | コメント (0) | トラックバック

既存メディアのネット進出

読売オンラインによる米国の話。NY Timesがabout.comを$4.1億で買収、ダウジョーンズが Market Watch を$5.2億、ワシントンポストが Slate を$2000万で買収したといった話が紹介されている。いずれも、急速に伸びるオンライン広告(2年後には雑誌の広告総売上高を超えるとの予想も)を狙っているとのこと。

特に日本のTV局は最後の護送船団の中、高収益を享受している間に買収を考えると良いと思うのだが、経営人材的に無理なのだろうか。

投稿者 hyotan : 18:04 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月12日

google news のカスタマイズ機能

自動的に記事の編集を行ってくれるgoogle newsにカスタマイズ機能が付いた。この秀逸な点は、トピックごとにUSとかUKとか編集の地域が選べること。例えば私は、経済ニュースはUSのトピック見たいし、国際情報に関してはUKのほうが面白いと思っているのでそちらを選択した(だからWSJ onlineとThe Economistの両方購読している)。

やはり、世界展開している企業はこういう視点が違う。以前のエントリでも書いたが、日本のメディアもせっかく世界最高のインターネット環境があるわけだから、早く世界進出できるようなビジネスを構築していって欲しい。国境の壁がなくなりつつ、地域性が重視される時代にきているのだから。

投稿者 hyotan : 01:15 | コメント (0) | トラックバック

2005年03月05日

ネット企業のメディア進出とインフラ

米国Yahoo!の映像メディア進出に関する記事があった(ネットは新聞を殺すのかblog)。googleもVideo searchを始めているし、素直な進化だろう。

しかし、米国でこれらのサービスが普及するまではまだだいぶ時間がかかると予想している。理由は簡単で、インフラが追いついていないためである。私は仕事柄、米国のあちこちの一般消費者宅の回線速度の情報や、コールセンター経由で日米のみならずオーストラリア、ヨーロッパなどの情報を得る機会が多いのだが(単一キャリア・ISPではなく多種多様)、実効速度・安定度・普及率という点で日本に勝る国は知らない。韓国だけは私にはあまり情報がないので除外するが、アジアも台湾、シンガポール、香港などはやはり相当劣る。例えばイギリス・オーストリアで見られる、1.5Mbpsくらい出るブロードバンドでも月に40Gbytes以上のデータ転送をすると料金が跳ね上がるといった体系をとっているISPもあるようで、まあP2P対策なのは分かるが、まともに映像を流そうとするとすぐにリミットオーバーしてしまうなんてこともあったりする。

米欧に比べてこれだけ日本で整備されているのは、やはりソフトバンクの功績が大きく、また批判はあるにしろNTTや国(箱物行政e-Japanなど)も大きな役割を演じている。中部圏の山奥に営業支援で何回か行ったことがあるが、e-Japanのお陰で光バックボーンはあるは、ADSLがひきにくい山間部でも無線を使った高速インフラはあるわで驚いた。もちろん、未だ地域格差があるのは事実だが(例えば日経コミュニケーション2005.3.1 拡大するデジタルデバイド問題を追う に詳しい)、アメリカの田舎(ど田舎では無く、フロリダの中規模都市)に行ったときの印象に比べればだいぶマシである。

逆に、米欧の問題は例えば「テレコム・メルトダウン」に紹介されているような競争政策の失敗にあったようだ。政策論は詳しくないので論評できないが。

で、何が言いたいかというと、日本はインターネットインフラは世界最高水準なんだから、ネット業界のメディア進出あるいは旧メディア企業のネット進出の実験場として最高であり、各企業は日本語という非関税障壁に安住することなく、早く世界に通用するようなビジネスモデルを構築するべきだということである。個人的には、90年代末にソフトバンクがやっていた「タイムマシン経営」の逆がこれから日本初でできると思っていて、日本でいろいろ経験を積み、それをインフラが整った順に各国に輸出すればいいビジネスができるのではないかと目論んでいる。

投稿者 hyotan : 10:02 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月28日

次世代のTVビジネスとは?

またほりえもんネタからで恐縮だが、2/26のTV東京WBSに出演しているのを見た。彼の描く次世代TVビジネスとは、どうもTVで人を集めてインターネットポータルで様々なサービスを提供してお金に換えるというものらしい。ほりえもんはしきりにTVの集客力に言及していた。番組では「ライブドア買収によってフジの株価は上がるか?」といったアンケートをしていたが、これが番組最後に1万2千人程度の回答が集まったと出たとき、ライブドア支持が75%近くあったことよりも「これ(=1万2千人)が全部ID(=登録会員)になれば大きいんだけど」みたいな方にコメントしていた。

現在のTV局のネットの取り組みは自社コンテンツのプロモーションなどに限定されているが、これを総合ポータルへ変貌させていきたいとの話。このような話は前からあるという突っ込みがコメンテーターからあったが、アイディアは古くて平凡と認めた上で、それを実現することが重要という話だった。

このくらいの話なら大山鳴動させずともやりようはあるだろうにというのが第一印象。
しかし、TVの未来への一つの方向性としてはありそうだ。TVを気づき・serendipityを誘発するメディアとして位置づけ、インターネットで深化させてお金にしようということだ。DVDレコーダーの普及により広告モデルが成り立たなくなりつつあるのは万人が指摘するところ。まあ実際スキップするのも手間なので、家電メーカーがデフォルトで広告カットして録画しますみたいな機能を入れない限り、大多数の人は(TiVoのケースで70%くらいとのこと)タイムシフトしても広告スキップはしないという話もある。

実はほりえもんにいわれなくても、すでにTV局のコンテンツ連動物販事業はどんどん拡大しており、10年後くらいには収益の柱の一つになるという予測もある。実際、プロダクトプレースメントのような形式も注目されているし、地方局では例えば住宅メーカーとの協力で家一つ売るといくらという実験をしてそれなりにうまくいったという話を2年くらい前のセミナで関西局の人が話をしていた。

娯楽の女王である、受身でさぼるのが最大の特徴とも言えるテレビにとって、能動性・双方向性を入れることは大多数の人にとって苦痛以外の何ものでもないはずだ。しかし、少数の人はTVをきっかけとして何かのアクションを起こすことも事実である。あるいは、一人の人の行動として考えると、大多数の時間は受け身だがたまにはTVをきっかけとして行動を起こすだろう。そこでお金を稼ぐのが今後のTVビジネスになるといっている。

多チャンネル時代というのが前提にあるとすると、アメリカのTVのようにハリウッドを使ってコンテンツ制作に莫大な金をかけるか(=資金力をベースに大博打を打つ、平準化できるようポートフォリオを持つ)、Discovery Channelのように視聴率は稼ぎにくくても世界中で同じコンテンツを使い回すことで視聴者数を稼ぐというのはあるが、現在の日本のTVのコンテンツの質を考えると、コンテンツだけでは収益は落ちるばかりだろう。そう考えると、ほりえもんのビジョンは、放送と通信の融合という言葉からは違和感があるし、今回の大騒動の狙いとしてはいまいちな感じがあるけれども、斜陽産業といわれるTVビジネスの未来像の一つにはなるのではないだろうか。

以上、survey MLでの議論を参考にさせてもらいました。

投稿者 hyotan : 19:01 | コメント (2) | トラックバック

2005年02月23日

ほりえもんを超えて

ほりえもんには頑張って欲しいと書いたが、経緯を見ていると気に入らない点多しなので撤回します。ただ今回の件で改めて分かったことがいくつかあるし、彼を超えないとインターネット放送の実現はないということも痛感した。

・ 政治家やマスコミがほりえもんを叩く理由として、ジャーナリズムの公明正大中立さというのが出ていた。希少性が高い電波資源だから公共性うんぬんという議論ならまだ分からんでもないが(それでもVHF/UHFとも使っていないチャンネルは多数ある)、タブロイド紙がジャーナリズムの公明正大中立さを守るためみたいな論調で彼を叩くのは可笑しいを越えて哀れでもある。公明正大中立であるのなら、検証可能な事実のみを伝えるようにならなければならない。報道で使われる責任回避的常套句である、「...と言われている」や「...という見方がある」といった表現を伴う内容は全て放送・報道禁止とすべきだし、社説論説はもってのほかだ。

  なぜ言論の自由競争という視点にならないのだろう?もちろん、個人への誹謗中傷など、一度出てしまうと容易に撤回できずに大きなダメージを与えるものもあるため、一定のルール作りは必要だ。しかし、なぜいまだにマスコミ人は「私は正しいことを述べて迷える大衆を導ける、そうでなければマスコミではない」みたいな思想なんだろうか?マスコミ人ってそんなに難しい試験・試練を通った選ばれし人たちなんだっけ?

・ ブログで公開された膨大かつ深い状況分析に比べて、マスコミ報道の薄さが目立った。今回は主題がマネーゲームということで公開情報が限定されており、あとは限られた情報からの分析・読みの勝負になるので、デモジャーナリズムにとっては得意とする分野であったことが要因だろう。地震報道のときもそうだし、デモジャーナリズムが得意とする事象例がまた一つ増えた。

・ ほりえもんのいう「放送と通信の融合を目指す」という建前について、ネットの上での議論はせいぜい「TV業界のプロが作ったコンテンツがネットに流れればインターネットが活気づくよね」というレベルを超えるものが無かったと思う。「放送と通信の融合」が実現したところで、今のTV秩序を超えられるビジネスの話題はなかった。

  現時点では、インターネットはコンテンツにとってもう一つのウィンドウ以上の価値は無い(価値のあるウィンドウであるかというのは別の議論)。「放送と通信の融合」が実現するのであればそれは既存の放送秩序が自己崩壊することが原因になるのだろうという感を強くした。その意味では、ビジョンは無くてもとりあえず現在の秩序を壊そうとしているほりえもんのやり方は「放送と通信の融合の実現」という観点からは正しいのかも知れない。それなら融合しなくたっていいじゃんという議論は当然あるが、上で述べたような理由もあって、ある意味時代の必然になりつつあるのかなと思う。

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2005年02月13日

これが本当のマスコミだ

2chでちょっと話題になっていたのでこんなの読んでみますた。
これが本当のマスコミだ

給料が高いと言われるマスコミですが、若い人は死ぬほど働いているようなのでまあよしとして、問題は上がっちゃった人たちですね。それも幹部として仕事せずに(幹部が仕事しているかは置いておいて)高い給料もらっている人たちが多いようで。こういう人たちが経営的や戦略・戦術の意志決定をしているのであれば、今回のライブドアみたいなことはこれからあちこちで起こるんでしょうね。私にとっては知らない業界の話なのでまあおもしろおかしく読めました。

元はこのサイトの記事をまとめたもの。

投稿者 hyotan : 00:45 | コメント (0) | トラックバック

2005年02月09日

ライブドアには頑張って欲しい

今日はサッカーW杯予選で、夕方早い時間にオフィスから人がいなくなっていた。こういうコンテンツはインターネットよりも現行の放送網で配信するのが一番コストがかからないだろう。

さて、ここ数日、ライブドアのニッポン放送株集めが話題になっている。放送と通信の融合を進めるのは技術だけでは足りないので、札束で攻めるというのも必要だ。お金のテクニックの話は別に譲るとして、メディアの観点から考えた場合、今回の話は例の野球話の延長線上にある。弱っているが、ブランド力や制作ノウハウがある既存コンテンツやメディアを新しいビジネス勢力が取得したということだ。まずはこれだけでも、既得権益を壊していくことになるので、ゆっくりと死につつあった新聞や放送メディアの変化を加速することになる。そもそもTV業界なんてフジテレビでも4,5000億程度の年間売り上げしかないわけで、これは通信・電気・自動車の大手企業の1/10、ビール企業の1/3程度に過ぎず、その規模でその世の中への影響力を考えればもっと早くに異業種の攻撃を受けてもおかしくなかった。

しかし本当に面白いのは、破壊の跡でどういうメディアが生まれてくるかだ。ラジオ放送とネットの融合でpodcastingなどという話が出ているが、本当にラジオ会社が欲しくて今回の仕掛けをしたのかという根本問題を除けば、podcastingはラジオのVODであるので筋はいいと思う。実は元々TiVoの技術を某日本企業が導入するとき、映像ではなく音声(=ラジオ)のタイムシフト機にしようという企画があった。まあ、当時は映像を扱うのが大変だったという背景があるのだが。

例えば通勤時間中にpodcastingでZDNetのインタビューを聴くというのは結構楽しいからやってみるといい。私はいろいろな携帯型機でTV録画をみたりDVDを見たりと試したが、やはり揺れで映像見続けるのはかなり疲れるので、音声だけで楽しめるコンテンツが充実すれば日頃酷使している目を休める時間にもなるし歓迎したい。映像コンテンツの隆盛で想像力が落ちてきている気もするので、音声だけによって楽しむという文化がもう一度見直される機会になれば面白いではないか?

全然話は変わるが、サッカーの話に戻って、大黒がゴールしたときに「こいつ偉い」とかいいながら投げ銭をできちゃうようなシステムがあれば、たぶんみんな勢いで結構いれるんじゃないかと思う。選手の給料の一部をこういう形で稼ぐようにすればそれなりのお金が集まると思うし、IT企業ならではのビジネスモデルになるんじゃないかと。

投稿者 hyotan : 23:09 | コメント (2) | トラックバック

2005年02月03日

ジャーナリズムの経済的価値

デモジャーナリズムが発達するためにはそれなりの(関連)ビジネスが発生しなければならない。それでは、ジャーナリズムや報道それ自身は直接的にどういう経済的価値が考え得るのかとを考えてみた。

1. 情報それ自身の価値
例えば株価に影響するような情報はそれ自体に価値がある。ただ、普通ジャーナリズムで扱われる情報はこれほどの希少性を持ったものは少ないし、あっという間に広がるためすぐに価値がなくなるのが常である。

2. エンターテインメントとして
芸能人スキャンダルなどは人の不幸は蜜の味のエンタメだろう。内幕暴露本も一部このカテゴリに入る。もう少し手が込むと、Product Placement とよばれる企業広告と直接的にタイアップしたものになる。

3. 啓蒙による被害防止や効率向上
例えばおれおれ詐欺が流行っていますよとかの報道は、人々を啓蒙することによって無駄な経済的損失を避けることができる効果がある。新聞の文化面の生活役立ち情報はこのカテゴリだろう。

4. 世の中の不合理・腐敗など非効率を解消する
定量化しにくいが、ジャーナリズムの最大の経済的生産性はここだろう。誰とかがどこかと癒着して...なんていうのは、そこで莫大な経済的非効率性が発生しているわけで、それを解消する経済的価値は大きい。

他にあれば付け加えてください。

投稿者 hyotan : 22:41 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月30日

google のビデオサーチ

これもあちこちで報道されたし、備忘録として。GoogleがTV番組のサーチを始めた。まだサンフランシスコのベイエリアのTV番組だけらしいが、音声が自動的にテキスト化されていて、その内容をサーチすることができる。
簡単に思いつくのが、これでサーチした結果をメタデータとしてTiVoに送って、手元で録画している番組を再生するというもの。自分のよく見るTV局数局1週間分とか好きな番組を全て録画することにしておいて、サーチエンジンと組み合わせて見るなんてのも時期にサービス化されるだろう。

最近、我が家ではほとんどCMを見なくなってしまったのだが、逆にたまに見ると新鮮で、子供などは面白がっている。その様子をみていると、よく言われるCMのサーチなんてのももう少しHDDレコーダが普及したら、逆にニーズが高まるんじゃないかと思えてきている。

投稿者 hyotan : 23:26 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月11日

津波の映像

スマトラ島沖地震の津波では広大な地域で被害が発生した。TVでも旅行者などが
撮影した映像を繰り返し流しているが、この映像はインターネットでもブログを
通じて広く配布された。Wall Street Journalの記事(有料購読者のみ)は、この津波がvlog (Video Blog) を普及させるきっかけとなるのではないかと論じている。

Wave of Distructionのように動画像を配布しているサイトではP2Pのbittorrentを利用しているところもある。これは、.torrentファイルという小さなファイルのみをサイトからダウンロードさせ、その情報を元にP2P空間から実際の映像ファイルを見つけてくるようになっているため、サイトの負荷が小さくてすむ。bittorrentはLinuxソフトウェアの配布などにも利用されており、合法的なP2Pの利用方法も開拓されつつあることを示している。

WSJの記事によれば、日本のTVでもおなじみのプーケットの津波の映像を撮った人が、インターネットには無料に流すことを認め(というか当たり前のこととして捉え)、その結果、各国のTVメディアから映像を購入したいという依頼が殺到し、販売して報道されたとのこと。インターネットの帯域の制約がいい具合に働き、低ビットレートの映像がネットで流れ、高品質の映像がTVへ販売されるという仕組みができていくかも知れない。あるいは、低品質の映像がblogへ無料に提供され、高品質の映像が売られるとかのビジネスが定着すればより多くの映像がネットに流れ出すだろう。

こういった形で以前のエントリに書いたデモジャーナリズム(citizen journalism)が着実に進歩しつつある。

投稿者 hyotan : 22:14 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月08日

Tahiti

技術的に当然の進化で驚きはないが、備忘録として。
TiVoがWCES2005でTiVo-to-goやTahitiといった、PCや小型映像端末との連携を打ち出した(記事例)。日本でもDLNAに準拠しているHDレコーダがCEATEC2004で発表されているし、昨年のCESでは Windows Media Center と Portable機の連携が目玉だったりと、皆同じことを考えているようである。

個人的には、この手の商品は母艦であるレコーダー機とのスムーズな連携が成功の鍵であると思っている。

投稿者 hyotan : 22:20 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月04日

デモジャーナリズムについてその2

前回デモジャーナリズムなるもののモデル化について書いた。そこで述べたモデルをベースにどういった機能が今後必要になりそうか・出てきそうかについて考えてみた。

1. 伝搬、深化の機能に求められること
伝搬の機能として求められること
 ・共感を呼ぶ機能
  インターネットでは人々の共感をよばないと記事が伝搬しない
 ・人々が関心を持っている記事の伝搬
  みんなが注目している話のその後のフォロー
 ・現時点では人々が関心を持たないが、関心を持つであろう記事の伝搬
  知らなかったことの発掘
 ・ある問題に関する専門家の関心を喚起すること
  識者を集め、より密度の高い議論・深化作用を起こせるように。
 ・特定の目的に基づいて人々の関心の方向付ける
  例:政治的意図に基づいて人々を誘導する
 ・何人が興味を持っているかを示す方法。これによって関心を盛り上げる手段とする。
  これだけたくさんの人が興味持っているんだからあなたも知らなければならない。

深化の機能として求められること
 ・エンタメとしての味付け
  煽り、フレームなど
 ・深い洞察により問題の本質を導き出す
 ・議論の方向づけ
  議論が意味あるものとなるように枝刈りする。
 ・正確な議論が行われること
  論理の飛躍の指摘、論理の途中で導入される仮定の正しさの検証
 ・大衆の潜在意見を結晶化させるための「この指とまれ」の指作り

2. 現在のジャーナリズムと比較して今のデモジャーナリズムが弱いところ
・記事の方向性を裏付ける取材。アマチュア主体のデモジャーナリズムでは、記事の主張を裏付けるために一次情報源に当たる取材活動がなされるケースが稀である。
・編集・編成。特に雑誌では記事の中身がなくても編集で読ませてしまうところがある。blog、掲示板では編集・編成がほとんどなされていない。

3. 今後考えられるデモジャーナリズム関連サービス
元ネタ --> 記事 --> 伝搬 --> 深化 --> アーカイブ    のチェーンを考える。

ニュースソースからお金をもらえる?
 ・企業・団体に関するニュースリリースの記事化・伝搬
  共感され、自発的な伝搬を促すようなPublic Relations。
  必ずしも請負だけでなく、iPodのサザエさんパロディ広告のような自発的広告からの収益というのもあり得る。

記事ライターからお金をもらえる?
 ・書けそうな元ネタをいち早く提供する、信頼性のあるネタを提供する
  取材代行業
 ・希少ネタ
  裏ネタ、情報ソースを秘匿しつつ提供。
 ・ツール
  世の中で旬な話題をリアルタイムに収集
  特定の記事に対するレスポンスその他のマーケティング情報

読者・視聴者からお金をもらえる?
 ・タブロイド紙のようなエンターテインメント。
 ・はてなやYahoo!知恵袋のような個別ソリューション提示、コンサルティング
  社会面相当。健康、お金について、日常のトラブルなど。
 ・突っ込んだ分析
  専門家・関係者を集めたexclusiveな解説
 ・議論のモデレータ・コミュニティ
  専門家・関係者を集め、深化する作用を手助けする。その結果、突っ込んだ分析結果がでてくるようにする。
  

投稿者 hyotan : 20:29 | コメント (0) | トラックバック

2005年01月01日

デモジャーナリズムについて

もうだいぶ前の話になってしまったが、私が良く読むBlogである「ネットは新聞を殺すのかblog」と「切込隊長BLOG」の間で参加型ジャーナリズムに関する議論が行われた(議論は 2 )。市民参加型ジャーナリズムにとって映像は重要なツールだし、逆に多様化する映像のマーケットにおいてジャーナリズムは重要なビジネスになると考えられる。
この手のジャーナリズムが今後どうなっていくのかを考える手がかりとして、下記のように定義・モデル化してみた。これによって今度どういうものが必要かを考えていきたいと思っている。


デモジャーナリズムについて
参加型ジャーナリズム、citizen journalism という言い方もあるが、旧来のジャーナリズムの定義からは外れていく可能性があるため「デモジャーナリズム」という言葉を造語した。

1. 言葉の定義
2. デモジャーナリズムの構成要素
3. デモジャーナリズムの目的
4. 旧来型ジャーナリズムとデモジャーナリズムの比較

1. 言葉の定義
 デモジャーナリズム: ある社会的事象に関して、ネットなどを媒介として伝播し、議論が深化して記事が形成され、アクセスされるプロセスのうち、一般の人々が多数関与するもの。

 記事: (デモ)ジャーナリズムプロセスの結果として生成されるコンテンツ。事実としてのニュースそのものおよび議論の過程や結果などの派生物の総称。

2. デモジャーナリズムの構成要素
デモジャーナリズムを下記のようにモデル化する。

見通しがよくするため、これら各要素ごとに議論する。

3. デモジャーナリズムの目的
(追記:オリジナルは「デモジャーナリズムの目的と求められること」だったが、求められることを別のエントリにまとめた)

人々はなぜ記事にアクセスするか?
 ・エンターテインメントとして (人の不幸は蜜の味)
 ・他人が関心を持っている事象を知るため(流行フォロワーの情報源)
 ・複雑な現象のモデル化およびそれに基づく未来予測を知るため(世の中は実のところこうなっている、だからこうなるであろう)
 ・自分の利害に関わる事象の監視(権力の監視)
 ・特定の問題に対する解決策を知るため(健康に暮らすためには)

アクセスすべき理由のない記事は記事にならない。伝播されないか、アクセスされても無視される。これは、報道されないニュースはニュースでないのと同じである。

ところが、伝搬・深化に参加する目的は、生成物である記事にアクセスする目的とは必ずしも一対一でリンクしない。

伝搬の目的
 ・他人が知らないことを提示することで、自らの世間価値をあげる。(俺のblogにくればこんなことも教えてやる)
 ・自分の知っていることを見せびらかしたい(ねぇねぇ奥さん、ちょっと知ってる?)
 ・問題に関心のある専門化の密度を上げ、深化しやすい環境を作る。(有識者の意見を求む)
 ・人々の関心を集め、世論のうねりを作る。(政治的圧力団体づくり)

そして、伝搬・深化に関わった人たちに報いる手段が必要である。名誉、金銭。

4. 旧来型ジャーナリズムとデモジャーナリズムの比較

元ネタ
旧来型ジャーナリズム:取材による、第二者による発掘・公表。
 長所:信頼性がある 短所:この時点でバイアスがかかりやすい。
デモジャーナリズム:Blog、匿名掲示板等による第一者による公表。または事象に近い第二者による公表。
 長所:幅広いネタが出てくる可能性 短所:信憑性

何より、取材に関して、特定の問題意識をもって取材し記事化していくのと、その辺りに転がっている元ネタを調理して記事にしていくのとが本質的に異なる。

伝搬
旧来型ジャーナリズム:マスコミによる配信
 長所:大規模配信 短所:人々の関心とは必ずしも一致しない(例:握りつぶされる芸能スキャンダル)
デモジャーナリズム:Blogに取り上げる、掲示板書き込み、サーチエンジン、トラックバック、口コミ
 長所:マスコミでは無視されるような記事でも共感されれば伝搬し得る。短所:伝搬の過程での話の変容。

深化
旧来型ジャーナリズム:論説委員や内外の有識者による議論
 長所:専門家による議論 短所:偏った意見
デモジャーナリズム:掲示板、blogでの議論
 長所:幅広い議論 短所:玉石混交、無責任、信憑性

普通は伝搬の過程で深化もする(取捨選択、話題追加)。しかし伝搬と深化を分けたのは、伝搬は伝える機能に、深化は記事自体を変化させる機能に注目するためである。

まずはこのモデル化に関して、ご意見などを頂けると幸いである。

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