OED (Oxford English Dictionary) CD-ROMを使ってみよう!

現在、OEDは、全20巻からなる紙版の他に、オンライン版、CD-ROM版が発売されています。その中でも、もっとも手軽で、よく売れているのがCD-ROM版です。辞書編纂におけるコンピューターの重要性を知ったオックスフォード大学出版 (OUP) は、いちはやくOEDの電子化に取り組み、完成させました。1990年代初頭に発売されたOED CD-ROM version 1.0は、その機能と使いやすさで、電子辞書の世界に大きな一石を投じることになりました。

昨年発売されたばかりの OED CD-ROM (2nd edition, version 2.0) はCD2枚構成になっています。1枚目はインストールディスクで、検索ソフトウェアとインデックスデータが入っています。インデックスは膨大なデータのため、インストールするためにはハードディスクに750Mbの空きが必要です。一度ソフトをインストールすると、インストールディスクは不要になります。

2枚目は本文データが入っているディスクで、キーディスクを兼用しています。このディスクは検索する際に必ずCD-ROMドライブに入れておく必要があります。ディスクには欧米では一般的な Safe Disk プロテクトがかけられており、バックアップするには raw write に対応した特殊な機材が必要です。キーディスクを兼ねていますので、内容をハードディスクにコピーしただけでは使えないので注意して下さい。

(注意:Safe Disk チェックソフトの古いバージョンは、Windows 2000では動作しません。Windows 2000で使う場合には Oxford University Press の日本支社に頼むとWindows 2000対応ソフトウェアをもらうことができます。)

OEDをよく使う人にとって、OEDデータディスクに自分のCD-ROMドライブを占有されたり、使うたびにCDを出し入れするのでCDが壊れやすいのにバックアップがとりにくいのは、残念ながら不便ではあります。

さて、実際に検索ソフトを起動して、キーディスクのチェックを終えると、初期画面が現れます。ここでは Search, Tutorial, Help がボタン表示されますが、とりあえず単語(見出し語)を引くならば、"Search"ボタンを押して検索画面に入って下さい。

OED CD-ROM版の真骨頂とも言うべき驚異的な能力は、フルテキスト検索機能にあります。ある程度、見出し語検索になれたならば、是非、Tutorial を体験して、フルテキスト検索機能を試してみて下さい。また、辞書の規模や歴史的事情から、OEDでは同じことを示すのに様々な表現や省略形があります。それらを把握していないと適切に検索を行なったり、辞書を理解することができません。このあたりのコツについては、要は慣れなのですが、help にいくばくかの記述がありますので、これも是非、時間があれば目を通してみて下さい。

 

見出し語検索

初期画面で"search"ボタンを押すと、見出し語検索画面になります。この画面で右上のテキストボックスに単語を入れると、その見出し語の内容が画面に表示されます。

見出し語検索では、単なる紙の辞書の見出し語に限らず、普通は本文中で解説されている熟語や造語まで検索できます。例えば、put off や、call offなどの熟語をそのまま入力することもできます。その場合、"put off"、"put-off", "putoff"のいずれの形式で入力しても大丈夫です。

OEDでは一般にワイルドカードも使えるので、複合語やetymologyを探したい場合は便利です。例えば、語中に"cred" (信じる)という語源を含んだ単語を一覧したい場合は、"*cred*"と入れます。この場合、"credit card"のような語も含めて286個の候補が表示されます。"*a*b*c*d*e*" などという検索もすぐにできます(これは、"abjectedness"を筆頭に100個以上出てきます。では、"*a*b*c*d*e*f*"は?是非、自分で確認してみて下さい)。空を含む任意文字数にマッチする"*"の他に、一文字にマッチする"?"も使えます。極端な例では、"??????????????????????????????"を指定すると、長さ30文字の見出し語を検索できます。実際にやってみると、ほとんどが熟語になってしまいますが、中には"pseudopseudohypoparathyroidism"というような語が見つかったりします。

見出し語が表示されると、上の方に、"PRONUNCIATION", "SPELLINGS","ETYMOLOGY"などのボタンが表示されます。それらを押すと、発音や綴りの変化、語源などが表示されます。ボタンはトグル式なので、一度オンにするとずっと有効です。

また、右上のプルダウンメニューを切替えることにより、用例の表示を無効にできます。OED はあまりにも用例が多過ぎるため、普通の辞典を使うように、様々な意味の羅列から自分の必要なものを探し出すのに、用例は多くの場合邪魔になります。このメニューで面白いのは「用例年表 (quotation date)」があることです。ある単語のある意味が、どの年代にどのくらいの頻度で使われたかを、視覚的に把握することができます。

OEDには、様々な約束事や、省略形があります。これらは解説書にも書いていないものもあるので、注意して下さい。例えば、SPELLING の項目で"3-5"と書いてあるのは、13世紀〜15世紀に使われた綴りであることを示しています。obs.は廃語、fig.は比喩的、refl.は再帰動詞など、わかりやすいのもありますが、文献学特有の固有名詞の省略形の中には、普通の人にとってはお手上げのものもあります。 また,例えばシェークスピアの作品に関して“L.L.L.”が「恋の骨折り損」だったり“AYL”が「お気に召すまま」だったりするような省略形が使われています。最初のうちは、Help の abbreviation をよく参照して慣れた方がいいでしょう。

 

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