作者のプロフィールと雑多な主張

初めて英単語をまじめに覚えようと思ったのは、大学受験のときである。子供のころに英語圏に住んでいた経験があり、英語はそこそこ得意だった。ところが受験勉強を初めてすぐ、定番の「でる単」を見たときに衝撃を受けた。 ほとんどの単語を知らない!!英語が得意といっても所詮子供の英語だったわけである。いわゆる帰国子女でこういう人は非常に多いと思う。

さて、単語の勉強を始めたが、覚えた端から忘れてしまう。そこで、浪人もしたので時間はあったため(苦笑)、時間はかかったが例文を覚えるようにした。そうしたら、忘れなくなった。数えただけで3000以上は覚えたはずだ。例文を大量に覚えると、文法のパターンも覚えることになるため、英語の偏差値が10くらいあがった。

当時取っていた単語の覚え方は、まずはどんな方法でも良いので取っ掛かりをつかむ。単語帖でもいいし、語呂あわせでも良い.知っている意味は一つだけでも良い。まずは顔なじみの単語にする。そのフェーズが終わったら、例文を覚える。長文問題などで、この単語見たことあるんだけど意味がすぐに思い出せないというのがあったら、とにかくその文章を覚えることにした。長文全体を知っているので、その例文だけでは良く意味が通らなくても、なんとなく覚えられてしまう。

指揮者の岩城さんのエッセイにある「楽譜の風景」という話が印象に残っている。指揮者は多くの楽器パートからなっているオーケストラのスコア(楽譜)を覚えなければならない。その際、いきなり楽譜の音符自体が覚えられるのではなく、スコアについているシミだとか、楽譜の風景ともいうべき部分がまず頭に入ってきて、その後音符が記憶できるのだというような内容であった。単語を覚えるのもこれに似た作業なのではないか?

単語を本当に覚えた!という状況は、意味はわかるんだけど日本語がなかなか出てこない状態のことをいうものだと思っている。多くの英語は100%対応する日本語がないのだから、知っているんだがうーんなんていうんだっけ、という状態になる気がする。英語のニュアンスを知るために英英辞典を使うべきだ(英和辞典では理解できない)というのと同じ理屈である。本当に意味がわかっていたら、うまく当てはまる日本語は単語だけを見ただけでは出てこずに、前後の文脈によって近い言葉が思いつくものだと思う。

さて、大学に合格し、すっかり単語を覚える癖がなくなってしまった。せいぜい雑誌などを読んで忘れないようにする時代が7年くらい続いた。

ところが20代も半ばを過ぎたあるとき、留学しようと思い立った。英語は得意という意識はあったので、軽い気持ちで GRE (米大学院入学に必要な試験)の問題集を買うべく本屋でぱらぱらめくり始めたのだが、そこで衝撃を受けた。 (Verbal の問題に出てくる)ほとんどの単語を知らない!。Deja vu ですな...

またもや大学受験のような方法をとろうと試みたが、もはや当時のような記憶力は残っていなかった... それに,GRE レベルになると通常あまり使わない単語のため例文を探すのも難しい。そこで,大学受験生時代に比べてお金があったので,購読していた雑誌や Amazon.com などをあたってアメリカの学生がやっている本やテープを買ってみた。テープはやはり効果的であった。大学受験生と違って社会人になると勉強時間を作るのが一苦労だが、テープであれば通勤時間を十二分に生かせる.

さらに、語源を手がかりに記憶する方法を知った。正確に言うと、大学受験時代も知っていたが(例えばでる単などには明記されている)あまり意識して利用はしなかった。しかし,このレベルになるとラテン語系の似たような難しい単語が増える。そのような単語に対しては語源を意識することが非常に効果的であることがすぐわかった。また、語源を知ることは英語の歴史を垣間見ることができるので、知的興味としても面白い。

その後,諸所の事情で GRE をすぐに受験することはなくなったが、仕事上の理由、将来に備えて、そしてボケ防止のため趣味として(?)こつこつと英単語を覚えようと思っている。現在は、見れば何とか意味を思い出せるという単語が多いが、今後はそれらを自分の表現のなかで使いこなせるようになれればいいなと思っている。

 

英語語彙が増えて得したと思ったこと

文章を読むのにストレスが減った、速度が上がった

単語の意味を知らなくても想像でかなりの文章を読むことができる。しかし意味を想像する、あるいは知らない単語を飛ばして読むのはかなりストレスかかる作業で、やはり知っていると気楽に読めるようになった。当然速度もあがった。
英語ができることの最大のメリットは、世界の情報を素早く入手できることであり、つまり英文記事を読めるということである。職業柄、私は常に最新の情報をつかまなければならないこともあり、ストレスが減ったことで、この作業がだいぶ楽になった。外資系企業で、英語でコミュニケーションをすることが当座の課題という人は、とりあえず単語力は後回しにして他の能力を優先させるべきだろうが、日本の企業に勤務していても情報収集のために英文を読んだり聴いたりしなければならない人は少なくないと思う。そういう人には語彙力は欠かせない力だと思う。

語源に注意することで,知らない単語の意味も推測できるようになった。英語以外の言語でも想像がつくようになった

英単語も、難しい単語ほどラテン語源の言葉の合成であることが多いため、知らない単語でも意味が想像できるものはかなりある.また、フランス語,スペイン語などでも単語のルーツは同じであるため、単語を拾い読みして文意を推測するくらいのことはできるようになる.

 

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